あるダレた昼下がり

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細い手首、透き通ると表現出来そうな白い肌、コジャレた日傘。吉田は山内先輩宅の前でひっそり立っていた。 「あっ、お疲れさまです。今日も暑いですね」 男のクセに日傘が妙に似合う吉田は、爽やかな声で駆け寄ってきた。 「おぅ、吉田。お前な「ジュース買って来たんですけど何飲みます?」 吉田は田中のセリフ「」をブチ抜く程のマイペースでニコニコとコーラとペプシコーラを差しだした。 この暑さの中でのコーラはナイスチョイスであるが、『何飲みます』と言う割りに範囲は2択で、どちらもコーラ類にまとめられる所が吉田らしくていい。 吉田は大学3年だが、留年という人生の苦難を味わうことなく生きているので1つ歳が違う。ナヨナヨしくて男らしくないが顔はわりかし整っており、年上から好かれそうな感はあるが今だに童貞というアヴィリティーを兼ね備えている。 僕は「悪いね」と何気なくコーラを手にした瞬間に衝撃が走った。コーラは完全に冷気を失い、むしろ体温よりも熱を帯びた状態になっている。 開けるのを躊躇していると田中も驚いた顔をしながら僕を見ていた。 「今日でぇ、山内先輩からの課題が終わるといいですね」 吉田は日傘をクルクルと回しながら玄関のチャイムを鳴らした。
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