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少年は高鳴る胸を抑えながら、エロ本を手に取ると、ページをめくった。
初めて目にする女性の裸体。のはずだったのだが・・・。
(なんだ、これは)
少年の目に映ったのは、女性の裸体ではなかった。
(騙された!)
今に思えば、奴はもともと悪戯好きの友人だ。
わざわざ別の雑誌にエロ本の表紙を貼り付けて、少年を騙したのだろう。
懐中電灯に照らされるその雑誌の内容は、女性ではなく男性の裸体だった。
いわゆる『ゲイ専門』の雑誌だった。
(そんな趣味ねーんだよ!)
せっかく、恐ろしい思いをしてここまで来たのに。
少年がゲイ雑誌を閉じて投げつけようとした、その時。
(・・・しかし、何なんだ。このドキドキ感は)
何故だろう。不思議な事に少年は、この雑誌の内容に性的興奮を覚えていた。
ほんの些細な友人の悪戯が、この日、少年の人生を変えた。
【完】
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