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ガチャン。
軽く手をかけただけで、その門は簡単に開いた。
学生服姿の少年は息を呑んだ。
あるいは、この門が開かなければ、引き返すくらいの考えであったのかも知れない。
(ここが、噂のお化け屋敷・・・)
見た目は何の変哲もない一軒家である。しかし、少年は知っていた。この家に住んだ人や関わった人間が、ことごとく命を落とすか行方不明になっている事を。
近所でも有名な『お化け屋敷』であった。今や、誰も近寄ろうとすらしなかった。
そんな呪いの屋敷に、少年は今、忍び込もうとしている。
そうしなければならない理由が、少年にはあった。
手に持つ学生カバンを大切そうに抱え込むと、少年は、その家の敷地内に脚を踏み入れた。
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