その悪魔、突然に

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  「……………………は?」 目の前の男の子の言葉に思わず目が点になり、間の抜けた声を上げてしまう。 あたしが何も言わない(というか言えない)のを良いことに、彼は更に言葉を続けた。 「一応期待してたのにさー、がっかりだよな。外見普通……いやむしろ中の下だし。しかも俺を女と間違うとか、確実にアホだろ」 呆然とするあたしを余所に目の前のこいつはつらつらと言葉を並べて、ふぅ、と溜め息なんかを吐き、わざとらしく肩を竦めて見せる。 あ、今一瞬殺意沸いたかも。 「じゃーな」 目の前の野郎はもう言い残すことはないとでもいう様に満足気な表情を浮かべながらあたしの隣を通り過ぎ、トントンと軽い音を立てて鉄製の階段を降りていく。 「でもまぁ、一応お隣さんになる訳だし。よろしくな、都」 後ろから聞こえた声に振り向いてみるけど、奴はもうこちらを向いてはいなかった。  
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