ただのお願い

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  「何よあいつ……」 パタン、と小さな音を立てて閉まった扉を見つめながら、一人呟く。 久し振りに、誰かと一緒にご飯を食べた。 初めて、人に料理を食べて貰った。 『美味い』って笑ってくれた。 初めて、色んなあいつの笑顔を見た。 少し、嬉しくなった。 大嫌いだと思っていたあいつを、そんなに嫌な奴じゃないと思った。 気付いたら、扉を見つめたまま笑っていた。(うわ、あたし気持ち悪い!)  
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