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「…ぃ、おい」
――――声が聞こえる。
聞いたことのある声。優しくて、どこか安心する声。
「起きろよ都。腹減った」
……うるさいうるさいうるさい。
声は優しいけど、あたしの瞼はとてつもなく重い。
煩い声から逃れたくて、顔を背ける。
すると、「チッ」と舌打ちする音が聞こえた。
「5秒以内に起きねーと………襲うかも」
ギシ、とベッドが軋む。
その感覚にそっと目を開けると、息がかかる程すぐ近くに綺麗な顔が―――
「っ、ぎゃあぁぁあぁぁぁぁああ!!!」
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