可愛いこ

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  「………田沢さん……」 ジャガイモ君の顔に、あたしの吹いた唾が飛び散っていた。 あたしが(色んな物を)吹いて周りから一気に視線を集めてしまった為、教科書で顔を隠しながら小声で会話を続ける。 「ご、ごめん! ……ていうか、何でそんなことになってる訳?」 「何でって……今日一緒に学校来てたって、至る所で色んな女子が騒いでたっスよ」 「へぇー」 「え、人事っスか?」 あんな一瞬のことでも、もう女子の間じゃ噂になってるのね……ジャガイモ君の耳に入る程。 女って怖いな、と実感しつつ。 事実ではないにしろ、あの棗と『付き合ってる』なんて噂が立っているなら、そんな怖い女子達が黙ってないだろうな、と。 ジャガイモ君の言う通り、どこか人事みたいに考えていた。  
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