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「わー、良い天気だねー」
「風冷たいけどね」
昼休み。
ジャガイモ君の言葉はひとまず忘れて、藍に誘われて屋上にご飯を食べに来た。
周りにはお昼を食べている人やボールを使って遊んでいる人、ベンチに座って楽しげに話している人など色々いる。
空は晴れているけど、冬だけあって風は冷たい。
思わず身震するあたしと対象的に、藍ははしゃぎながら隅にあるベンチへ駆けて行く。
「藍、そんなに走ったら転ぶ…」
バシィッ!
言いかけた所で、脳天に衝撃。
「~~~~っ!!」
声にならない声を上げながら、その場にしゃがみ込み後頭部を押さえて痛みに耐える。
側には、コロコロ転がるバレーボール。
成る程、こいつが当たった訳ね……
どうりで痛い筈だわ、と納得していると、あたしに気付いた藍が駆け寄って来る。
「都、大丈夫!?」
「う、うん……」
小さく返事を返すと、もう一つ駆け寄って来る足音が聞こえた。
顔を上げてみると、女の子が一人。
「ごめんなさーい! ボールぶつけちゃって……」
ふわふわのくせっ毛……いや、パーマだろうか。
それを高い位置でポニーテールにしていて、顔立ちも凄く可愛い子だ。
短めのスカートからは細い脚が露わになっていて、アクセサリーも沢山つけている。
いかにも今時の女の子、って感じ。
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