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「あー……大丈夫、です。そんなに痛くなかったし」
ズキズキ痛む後頭部を無視して笑顔で言うと、女の子も安心したように笑った。
「良かったです! 私ほんと球技ダメで、そこで一人で練習してたんですけど……」
確かに、周りに友達らしき人はいない。
「……あの、私、一年の岡田亜里沙っていいます」
何やら急に彼女は自己紹介を始めた。
不思議に思うものの、一応こちらも自己紹介。
「……? えっと、あたしも一年だよ。田沢都っていうの」
「そうなんだー! 宜しく、都ちゃん!」
「え……う、うん」
何だ何だ。急に馴れ馴れしくなったぞ。
人懐っこいのかな、などと自分を納得させていると、さっきから隣で全然喋らなかった藍が唐突に口を開いた。
「都、お昼食べよー?」
「あ、そうだね。じゃあ……」
藍の言葉に頷いて岡田さんに軽く手を振ると、彼女もにっこり笑って手を振ってから、屋上から出て行った。
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