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「藍? ……どしたの?」
屋上の隅にあるベンチに二人で並んで腰掛けるけど、何だか藍の様子がおかしい。
何か考え込んでるっていうか、ブスーッとしてるっていうか。
可愛いから良いんだけど。
膝の上にお弁当を広げると、藍がポツリと呟く。
「……あの子、何かクサい」
「え、そう? 藍鼻良いね。あたし全然分かんなかった」
「そうじゃなくてー」
あの子っていうのは、たぶん岡田さんの事だろう。
あたしには何が臭かったのかよく分からない。
すると、何故か呆れたみたいに思い切り溜め息を吐かれてしまった。
首を傾げながらお弁当の卵焼きを口に放り込み咀嚼していると、また藍は溜め息を吐いてあたしの頭をポンと叩いた。
「とにかく、何かあったら言ってねー?」
「う? ……ふむ」
何だかよく分からないけど、取り敢えず心配されているらしい。
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