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蛮龍と紅龍は、いそいそと城下町を目指し、足を早める。
『父上~。早く城下町に着くといいね~。』
紅龍は、綾瀬に貰ったお守りを大切そうに眺めながらそういった。
『あぁ、でも、城下町に着くのに、あと、2日かかるかな。気長に行こうな。』
『あい!!父上~。』
楽しい会話が2人に包んでいたが、急に、蛮龍が、刀に手をかけて辺りを見る。
紅龍は、いそいそと父の側によった。
『父上。何かいるの・・・・。』
ギュと父の着物に抱き付く。けれど、父は、刀から手を離した。
『気のせいようだ。紅龍。行こうか。』
紅龍の手をとって歩き始める。けれど、蛮龍の目は、物影にいる人物をチラッと見ながらいそいそと歩き始める。
蛮龍が、見ていた物影には、1人の女性が木に寄り掛かりながら、蛮龍たちを見て、クスクスと笑っていた。
『やっぱりね。あの、人斬りの蛮龍。今も健在ってことね~。』
また、笑いだす。すると、彼女は、クルリと後ろを向き、自分の後ろにいる、人物に話し始める。
『あらあら、あなたまできていたの~。蠍~。用件は何~。』
蠍は、少し彼女に向けて話し始める。
『親方様のお呼びだ。吹雪よ。行くぞ・・・・。』
と黒ずくめの男がいった。
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