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「……ですか」
「ん?」
「告白しないんですか」
「あぁ。やっぱり今日はやめておくよ」
「なぜです」
「だって急いでるみたいだったし?それにもしギクシャクしたら嫌だもん」
「おや、自尊心の塊のような貴方がフラれる心配ですか」
「フラれる?まさか!生まれてこの方、世界で僕の意思に背いた出来事は起こってないよ」
「とんだ男ですね」
「さっきは告白するなんて言ったけどそれはきっと僕の意思とは違うかな。今回は骸クンに譲るよ」
「何をですか」
「素直じゃないなぁほんとに。ほら、鎖解けたよ。僕が綱吉クンに怒られちゃうから早く行きなよ」
「拘束した君が言えた台詞では無いですけど」
「はは、そうだね。でも先にちょっかい出して来たのは骸クンなんだからお相子だよ」
「…、では」
「骸クン」
「何です」
「あんまり意地っ張りだと、嫌われちゃうよ」
「余計なお世話です」
呆れたように肩を竦める百蘭を背にし、骸は足速に部屋を出た。
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