2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちっ、めんどくせぇ
おばちゃん!!A定一つちょうだい!!」
「はいよ、A定食ね」
うーん、啓ちゃんはA定食かぁ、
確か…麻婆豆腐だったよね。
今日は気分じゃないなぁ。
きっと今の私の脳内をパカッとあけて調べたら、
カレーとオムライスで埋めつくされると思う。
オムライスカレーがあったらいいのに!
「おまちど
お姉ちゃん、ホラ、A定食」
いまだにオムライスとカレーの戦いを頭の中で繰り広げていた私の前には、ホカホカのA定食。
「へ?」
私、まだ注文してないし…。
「だって、あっちの兄ちゃんお金払っていっちまったよ」
おばちゃんの視線をたどると、机に座ってうどんをズルズルとすする啓ちゃん。
やられた。
「もおっ、何で勝手に決めちゃうの?」
ガチャンと、大袈裟にお盆をおいて啓ちゃんを睨む。
あ、代金はちゃんと払いましたよ。
「お前さぁ、時計よく見ろよ」
時計がさすのは、
13時19分。
昼休みが終わって授業が始まるのは、
13時30分。
最初のコメントを投稿しよう!