栄治。

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大人とか、子供とか、私にはそんな事関係なかった。 一生懸命だったから。 でも、栄治にはそこまで話せなかった。 ってか、栄治こそ、童貞でしょ?って感じ(笑) だって、私の手を握ろうとした手が振るえていたもん。 でも、大人の余裕を見せようとして精一杯。 ちょっと可愛く思えた(笑) そんな栄治を、一度だけ先生って思ったことがある。 3年の時、クラスの女子に彼氏が居るからって下らない理由で虐められた。教科書を刃物で切り裂かれ、やった子が 「どぉしたのぉ~?うわぁひっどぉ~い」 と、白々しく言ってきた。 またもブチ切れる私。 座っていた椅子を、そいつめがけてぶん投げる。わざと当たらないように投げて、その子を廊下へ連れ出し、騒ぐ相手の髪の毛を掴み、壁へ顔面を叩き付ける。 「イジメたら、仕返しされても文句言えないからな?」 って、泣き叫ぶその子の髪を掴んだまま職員室まで引きずり回す。 職員室にその子を投げ込み、驚く先生方。 「こいつの親呼べや!!」 とブチ切れてる私。 泣き叫び、先生に助けを求める相手。 ようやく栄治が私を止める。他の先生の言葉は耳に入らなかったけど、栄治の一言で我に返った。
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