初彼氏。

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勝也先輩に聞いても、 『さぁ~…』 しか言わない。 先輩のクラスに乗り込み、直接翔先輩から話を聞いた。 「おはよっ」 『あ…おはよう。』 「昨日はあんなに嬉しそうだったのに、今日はどうしたの?」 『いゃ、別に……』 「そっか」 それだけ会話して、私は直ぐに教室を後にした。 何だかパッとしない表情の翔先輩。 実は、登校して直ぐに『やっぱり付き合うの辞めて!』って言われたんだって。 そりゃぁ落ち込むよね。 人生初彼女と24時間もしないで別れたんだもの。 その日、昼休みにも部活にも、翔先輩は顔を出さなかった。 それから直ぐの土曜日。 私は、意を決して翔先輩にラブレターを書いた。 人生初の恋文に、何度も何度も書き直す。一行書いては訂正の繰り返し。 やっとの思いで書き上げたラブレターを、その日、翔先輩の自宅の郵便受けへと投函した。 ドキドキはしたけど、躊躇う事なく投函出来た。 多分素直に好きだったからだと思う。 振られてもいいや。 気持ちを伝えよう。 どうせ散るなら、花咲いてから散ろう…… そんな想いで書いたラブレター。 いつ気付くだろう… 家族が先に気付いて読まれないだろうか…… そんな事ばかり考える。
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