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嬉しかった。
最高の先輩たちと最高の時間を過ごせて最高に幸せだった。
先輩達が卒業して、誰もいない3年生の教室。
ポツンと独りで立っている。
ひとつひとつの小さな物音が響く。
胸の鼓動が聴こえる。
もぅここには、先輩達は居ない。
次からは、私達がこの教室を使う。
変な感じ……。
『ひでみ!!』
先輩の声が聴こえる…。
重症だな。幻聴だよ……。
そう思って振り返ると、翔先輩が立っていた。
幻覚………?
いゃ、現実。
『こんな所で何やってるのさ』
「先輩達との思い出に浸ってたの!」
『そっか。黄昏てるんだ。』
「先輩こそ、何でこんな所にいるの?」
『部室に忘れ物取りに来たついでに偶然寄っただけ。そしたらひでみがいたの』
「そぅなんだ」
そして、2人で一緒に下校した。
それが、最後の下校。
先輩は高校へ進学。
私は3年生に。
毎日会うのが当たり前だったから、その分寂しさも大きかった。
逢わない時間が増えれば増えるほど、2人の心も離れていった……。
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