竜。

21/29
前へ
/115ページ
次へ
私は走った。 今にも涙が溢れそうだったから……。 そのまま卓也さんの家に向かい、卓也さんに状況を説明した。 どうしたらいいのかわからず、何が出来るかもわからず。 私は子供で考え方は浅はか。 そんな自分が嫌だった。 やっぱり会わない方がよかったのかな? ゲームとか漫画とか、余計なお世話だったのかな………? でも、明日も行こう。 今の私に出来ることとか、そんな事はどうでもいい。    竜に会いたい ただそれだけ。 竜の冷たさは、決して本心ではない。 無理に冷たくしてる。 それは、私も卓也さんもわかっている。 それが、今の竜の精一杯の愛情表現なのかも知れない。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加