大畑くん

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大畑くん

小学校一年生で転校した私は、直ぐに新しい環境へと溶け込んだ。 だが、通学路がなかなか覚えられずに、転校初日に家に帰れず迷子になる(笑)知らないおじさんに話し掛けられて、何も考えずに車に乗り込んだのだ。 ……今考えると恐ろしい事だよね。 覚えてるのはとにかくおじさんの息が荒かったこと(笑) どうやって帰って来たのかは、覚えてないのがこれまた恐ろしい。 そんな事があり、同じクラスだった大畑くんが毎日一緒に登下校する事になった。 先生に頼まれて、大畑くんは変な使命感を持っていたらしい……。最初だけだけどね。 私は、彼がナイト様に見えてきてしまったのだ。 恋多き女である。 一年生のバレンタイン。朝、大畑くんの家に行き、バレンタインのチョコ(確かトムとジェリーのコインチョコ)を渡し、大畑くんのお母さんにお礼を言われて一緒に登校。 私がマセた小学校なのか……?クラスの他の女の子はバレンタインのバの字も話題にしないのである。んま、当時の私も、バレンタインというものはただ単に『チョコが食べれる日』程度の認識だったのだけど。 大畑くんはとにかく絵が上手だった!!私も、クラスの中ではかなり絵は上手な方ではあったが、彼には及ばない。
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