大畑くん

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チョコを作るより、倍以上ラッピングに時間が掛かったのを覚えている。 ただ、板チョコを溶かしてハートの型に入れて固めただけのチョコ。 初めて一人で作ったお菓子。 果たしてこれは、手作りと言っていぃのか……?! 微妙なところだ。 だが私は、かなりの満足感で満たされていた。 三年連続、大畑くんにバレンタインにチョコを渡した。 三年生にもなると、クラスの女の子も、チョコを用意してソワソワしているのがわかる(笑) 四年生のバレンタイン。手作りのチョコマフィンを作った。友達に手伝ってもらって、大量生産。これがハンパない数。量産型マフィン。家族や友達にも配って回ったな。この頃から、お菓子作りにハマる。 毎週日曜日はお菓子の日。 毎回違うお菓子にチャレンジ。図書館で借りた、タウンページ並みのお菓子の本が愛読書(笑) 漫画は、レイアースとかるろ剣辺りにハマってたかな? あとタッチ。 大畑くんの家は、私の家の裏のマンション。 日曜日。 お菓子を作っては窓越しに会話して持って行ってた。 昔から、人に振る舞うのが好きだったんだなぁ~…。 五年生。 これが最後のバレンタインになる。 大畑くんは転校してしまったのだ。
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