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彼女の実家の前を通り過ぎた時 彼女のお父さんが出てきた
私に気づきもせず 田んぼへ向かって歩いていた
私は少し離れて車を停めた
バックミラー越しにあの無口で実直な義父の歩く後ろ姿を見ていると 突然涙があふれてきた
車を降り 義父に駆け寄り「その節は申し訳ございませんでした」と土下座して謝りたい衝動に駆られた
…
…
…
しかしそれはもう済んだことだ
…
今更蒸し返す話ではなかった
静かな山あいの町には ひぐらしの声がこだましていた…
「夏の終わり」
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