魔法学校

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しかし、ロイスは入る気配を見せない。 なんたって 先ほどの女の子が可愛くて見とれているからだ。 すると、黄色い髪の女の子が不意にこっちを向いた。 そして目が合うと ニッコリと微笑んでくれた。 ロイスは軽く頭を下げる。 そしてまた女の子の後ろ姿に引き込まれていた。 不意に肩を叩かれる。 ギクッとして後ろを振り向くと、 白い髭を生やして、眼鏡をかけた 優しそうなご老人が立っていた。 ロイスは直感で校長先生だと悟った。 しかし、あの女の子がこの人に微笑んでいたとは気づいていない。 「どうかしましたかな?」と聞かれ、 思わずロイスは「えっ?」と聞き返した。 すると老人は 「入学式が始まってしまいますよ」と教えてくれた。 「あっ」 ロイスはどうやら入学式の事を忘れていたようだ。 そして お礼も言わずに走って建物の中に消えていった。 老人は自分の髭を撫でながら、 「ロイス君か...不思議な子だ」 誰にも聞こえないくらい小さい声で呟いた。 誰もいなくった建物の前には[クォルツ魔法学校]と書いてあった。
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