第十章 灼熱機構

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「はあっ……はあっ……!」 ”灼熱機構”が解除されると、地面に突っ伏した。全身が痺れるような痛みに苛まれている。 先輩もまた、燃え盛る本堂の前に仰向けで倒れていた。微動だにしないが、致命傷ではないはずだ。 「や、やった……!」 「どうにかなったみてーだな」 そう言いながらこちらに駆け寄ってきたリナとシンに笑みを返す。後方に目を遣ると、他の皆も安堵した様子だった。 「で、これからどうするんだ? お前の事だから何を言い出すかは大体想像がつくが……」 どうやらシンにはこちらの考えが筒抜けのようだ。けど、俺は…… 「はあっ……はあっ……!」 燃え盛る本堂を背にレイシャ先輩が肩で息をしながらもどうにか立ち上がろうとしていた。こちらを睨むその表情は鬼神のごとし。あまりの執念に鳥肌が立つ。
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