断章 そして、荒野で”魔女”は懺悔する

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世界中の誰もが知る、とある言い伝えの話をしよう。 この世界の創始より存在し、今も尚、世界の秩序を維持するとされる四柱の神々。 人界の長ーー魔術卿(ウィザード)。 魔界の長ーー悪魔長(ルシファー)。 霊界の長ーー聖母(マザー)。 天界の長ーー創世神(ゼウス)。 そして、幻界の長にして、影で世界を見守る第五の神ーー”機械神”。 この世の理にして心臓。その五柱が宿す“力”を全て掌握した者は世界を支配することも滅亡させることも思うがままという。 それほどまでに強大な力を恐れた先人たちは彼らを五冊の魔本に封じたそうだ。その書物は“魔導書”と呼ばれ、人々から畏れられたという。 しかし、それから二千年。人類は幾度となく滅亡の危機を迎えた。人災、天災、紛争、戦争ーー際限なき人の欲と業は我々を窮地に陥らせた。
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