最後の始り

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最後の始り

《ミーンミーンミーンミ~~~~ン♪ミーンミーンミ~~~ン♪》 団地前と記されたバス停のベンチの隣りにそびえ立つ樹木に止まっている蝉が夏の訪れに歓喜するように元気に鳴いていた。 (ったく暑いんだから…そんなに頑張って鳴くなよ…やかましい…) 俺は、煙草を咥えたまま恨めしそうに元気に鳴く蝉を眺めている。 ろくに受験勉強もしないで…入った高校は…俺逹が中学時代を過ごした街からはかなり離れた回りを見渡すと田圃ばっかの田舎町にある高校だ。 中学時代…さんざん馬鹿ばっかやってた俺に中学の時の担任が調べて探してくれた高校だった。 人とつるんだり、団体行動が苦手な俺には…ダチなんて呼べる仲間は片手で余る程しかいなかった。 そんな俺に担任の先公は。 「中学のお前の噂なんて誰も知らない町で新しい仲間を見つけろ…」 なぁんて臭い学園ドラマに出てくる教師みたいな台詞を吐きやがった。 最初は、なんでそんな田舎までわざわざ…なんて思ってた…けど中学の時…隣りの中学のダチで、デカい手術して自分をリセットした奴がいて…俺も街外れの田舎町の高校で自分をリセットしてみようと思ったんだ…と言っても俺的には…何にも変った感じはしてないんだけど…だけど…こんな俺が、もう高三で…仲間と呼べる奴等も両手で余るくらいはできた。 ところが、問題ができた。 高三まで何度かの停学はあったけど退学にならずにすんだんだけど…問題は…卒業の方だ。 素行が多少不良でも学業が良けりゃ卒業はできるらしいんだけど…俺は…その学業が全然駄目…特に数学は、算数の時点で見失ってるのに。
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