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太陽がかたむいて空に浮かぶ雲も赤く染まり、二人に優しい光が降り注ぐ。
二人はいつのまにかこの 場所にた。
二人はベンチに腰をおろす
少しの沈黙…。
少し冷たい静かな風
沈む太陽の光に照らされて
周りの木々が赤く染められ
二人は優しいアカの世界に
包まれる…。
ねぇ…。
ふと、あさみにそう呼ばれた気がしてけんじは。
「今、呼んだ?」
「えっ、別に…。」
もどかしい空気と
ひんやり風。
「ねぇ。ワタシとけんじ
って何回キスしたかな?
突然のことに少し驚きながらけんじは少しふざけて。「100回かな☆なんてね」
一瞬、風がやんで
一枚の風景画のような二人
あさみはけんじに
キスをした。
お互いほんの少し距離
「101回目のキスだね。」
「あさみ…。」
あさみの目には涙がうかんでいた。
「いまのキスはサヨナラのキス…。」
「えっ。」
「ありがと。けんじ…。」あさみはすっと立ち上がりそのまま歩いていった。
小さい後ろ姿を眺めていた
止んでいた風がまた吹き 初めて、冷たさに身を 震わせた。
あとを追いかけたら
俺、嫌われるな…。
END
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