内言的な、彼女。

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 私はよくつまづく、と記した。理由はない。  ただ、つまづくのは良くないと理解しているくせに何度もつまづくのだ。  つまりは学習能力が無い、ということになる。  ようするに私は馬鹿なのだ。    私は涙脆い。それに原因はない。  だがあえて言うなら、情緒の不安定が原因だろうか?…それにしても涙脆い。脆すぎる。  私の涙腺や涙を出させる感情は、もしかしなくとも欠陥があるのかもしれない。    私は人形が好きだ。女の子も好きだけれど、愛らしい女の子は何故か怖い。  同性から受けた侮蔑の目を思い出すからだろう。(なんと邪魔な思考か)  私の所持している人形は男の子のみである。それも、女の子に見間違う程に愛らしい顔をしている子がお気に入りだ。だが私は男の子が嫌いである。  幼少の頃に見続けてしまった男女の関係のせいか、否か。(曖昧に濁すのは保護の為だろうか)  愛らしい彼によく女装をさせるのだ。そしてにこやかに笑う彼と外言の会話。 「あぁ、可愛い!」 「お前は私の、理想とするカタチだ!」 「あぁ可愛い、ああ!可愛い」  そうやって私は一人きりの部屋に篭って笑う。  自覚する私と無自覚の私は、そうやって人形を愛でる。    私は涙腺が脆く、人形に対して歪んだ何かを求めているのである。
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