中学生な、彼女。

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「ふふふ…はは、あはははははは!」    びっくりした。私はこんなにも大きな声で笑えたのか。自分のことを、私は知らなかったようだ。  私は気さくな人間では無かったから、周囲の彼等は特別驚いている。それもそうだ。私は人前で高らかに笑ったことなど、一度として無い。   「ははは、…ふふっ、あはは!」    あぁ、何故私はこんなにもおかしいのだっけ…。笑い出した理由が思い出せず、笑いながら苦悶した。(でも笑いながら悩むなんて、なんとおかしいことだろう)(あ、駄目)(それがおかしくて、ますます笑ってしまう)  比較的仲の良い知人が、私に近寄ってきた。次の行動が予想出来てしまう…いけないわ、話しかけないで!   「…ねぇ、…大丈夫?」 「っ、くくくく…いやっ、はははははは!」 「っ!?」    やっぱり言ったわね。何が大丈夫?かしら。端から見たら気違いの様な私が、大丈夫だと思う?  あー、おかしい。もう駄目ね。全てがおかしくて笑ってしまう!  彼等は大きくのけ反って、顔を歪めた。これが俗にゆうドンビキ、ね。成る程、言葉と合っている。  空気はおかしい。それはとてもおかしい空気で、普通に生活したら絶対味わえないもの。私には新鮮で、それゆえに気分がさらに向上していく。   「あー駄目、…はは…あーっ、…はは…」    段々、笑いがおさまってきた。  さぁ、少し冷静になったろう。どうして笑い出したのか、思い出さなくては…。  まだ息が弾む中、視線を下に泳がせた。私はこうすると頭が一気に冷えてゆくのだ。…うん、嫌悪さえ感じる。そろそろ正常に戻ったようだ。  何故、笑っただろう。  答えは早々に浮かばず、一人顔を歪ませて考える。周囲の空気は以前おかしいまま、…自分で作ったとはいえ、いたたまれない。  えーと、何故、何故。   「…キモ」    あ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!