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アタシの体は
何時の間にか
大きくなり
あれから誰にも
飼われる事もなく
1人で生きる術を知った。
そしてー
アタシのお腹には
あの日の
お母さんのように
新しい命が宿っている。
「あ、あの猫お腹大きいね」
季節が巡り
2度目の寒い季節を
乗り越えて
アタシは強く逞しくー
「家の猫と似てる」
桜がハラハラ舞い落ちて
何もかもが新しく
生まれ変わる季節。
「メグちゃん、入学式始まるよ」
どこか懐かしい響きに
ふと振り返る。
一瞬目が合った少女は
私に笑いかけ走って行く。
アタシはまた前を向いて歩きだす。
堂々と胸を張り
優雅にしなやかに
誇り高き野良として
1日を精一杯
生きていく━━
fin
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