《第一章》盗みだされた金貨

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その声はだんだんはっきりと聞きとれるようになってきた。 「おまえたち‥‥この金貨を‥‥魔界の入口へ‥‥運んでくれぬか‥‥」 金貨からそう聞こえてくると、ジャックが話しかけた。 「な、なにものだ?」 すると金貨が問いに答えてきた。 「我が名は‥‥冥竜王‥‥魔界の‥‥支配者‥‥」 衰弱しているような声だった。二人はその名を聞いて驚く。 「め、冥竜王って‥‥あの神話にでてくる‥‥!」 ジャックがそう言うと、ルイスがジャックの腕をつかんできた。 「や、やばいよ!こんな金貨捨てちまおう!」 すると金貨からまた声が聞こえてくる。 「魔界の‥‥入口に‥‥運んで‥‥くれたら‥‥おまえたちの‥‥望むものを‥‥与えよう‥‥」 それを聞いたジャックとルイスはニヤッと笑った。 「本当か?本当に望むものをくれるのか? ジャックが問いかけた。 「約束‥‥しよう‥‥」 すると、ルイスが飛び跳ねて喜んだ。 「やったぜジャック!欲しいものがなんでも手にはいる!金貨を運んでやろうぜ!」 「あぁ。しかし、魔界の入口ってどこにあるんだ?」
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