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「僕がやるよ!」
そう言って立ちあがったのはシンだった。
「シン。気持はうれしいけど、あなたはイストリーの人間ではないわ」
クレアがはっきり断ってきた。
「そんなこと関係ないよ。またユーラ大陸全体が数年前みたいになってもいいのか?」
シンが強い口調で言った。
「だから討伐隊を作って早めに‥‥」
クレアが話している途中で、シンがしゃべりだす。
「時間がないんだったら、行きたいと言うやつにいかせればいい。国なんて関係ないよ‥‥ちがうか?」
いつものシンの口調とはちがった。数年前に起こったことを、二度と起こしたくないというシンの強い気持ちが伝わってきた。
「‥‥わかったわ。シン、あなたには討伐隊、隊長を命じます」
クレアはそう言ってシンの顔をみた。
「ありがとう。俺、頑張るよ」
シンはクレアの顔をみてうなずいた。
「他には誰もいないの?」
クレアは周りの兵士たちの顔をみた。
「いないのなら、私がいくわ!あなたたちは城を守ってて!」
クレアが怒鳴ると、シンがとめた。
「クレアはだめだよ!城を継いだんだから、クレアが城を守らないと!」
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