《序章》不吉な地震

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―シンが国王の間に入ると、クレアが玉座に座っていた。シンはクレアに頭をさげた。 「クレア、無事だったみたいだね。それにこの国は建物がそんなに壊れていないし」 シンがそう言うと、クレアは答えた。 「父が地震に耐えられる建物を設計してもらって、建ててもらったからね。父はまた地震がくるのを分かってたみたい」 それを聞いたシンは驚いた。 「クレアの父さんてすごいね。地震がくるの、わかっていたなんて‥‥」 シンがそう言った瞬間、二人はハッとした。 「以前、父から聞いた神話‥‥地震が起きて地割れが発生し、そこから冥竜王が‥‥」 二人は息をのんだ。 「ま、まさか‥‥でも、冥竜王が封じこめられていた金貨は、カルナバルが消滅させたし‥‥」 シンはそう言って、体をガタガタ震わせている。 「冥竜王はいなくても、魔族がでてきているかも‥‥!」 クレアはそう言うと、たちあがって兵士を呼んだ。 「大陸のどこかに底が見えないくらい深い地割れがあるはずよ!それを探して!」 クレアが叫ぶと、兵士たちは走って城をでていった。 クレアとシンは不吉な予感を感じていた―
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