喫茶店で。

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 梨花が手に入らない事は分かっていた。  でもそんな答えを彼女の口から聞きたくて。  梨花の中に自分がちゃんといるって事を確かめたくて。  ・・・・ちょっと意地悪を言ってみた。ただ、それだけ。  後で後悔するのを分かっていながらの発言。  ・・・・愚かだという事は充分すぎるくらい分かってる。でも、言わずにはいられなかった。  離れてしまう前にどうしても、言わずには居られなかったんだ。  でも、梨花は僕の望んだような答えを返してはくれなかったんだ。  この日だけは。
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