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まっすぐ僕の目を見つめる梨花。からかってなどいない事は一目瞭然だった。
・・・・あとで泣きつきにくるに決まってる。
「じゃあそうする」
どんな声色で答えたのか、どんな顔で答えたのか、自分では分からなかった。ただ、梨花に感づかれないように、この張り詰めた空気を意識しないように答えた。
ただ、精一杯の答え。僕にとっての最後の賭け。
何年も気づかせなかったこの思いを気づかせるもんか。
絶対にここでへまなんてしない。
僕がそういうと、
彼女は笑った。
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