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「なんでそんな事いうの。今まで黙ってきてくれたのに。」
梨花が言った。これは梨花の我侭じゃない。ただ僕が言わせてしまった梨花の本音。ずっと、僕と一緒に居たいという気持ち。
「わかってたのに、よく平気に買い物とか、喫茶店とか誘えたな!」
そう、わかってはいても止まらない、嫉妬と言う名の怒り。
「だって・・・・」
「また先輩かよ!?」
それまで、寸でのところで留めていた涙が、一気に梨花の瞳から溢れ出した。そしてこれまでの気持ちを吐き出すように、強く強く僕に叫んだ。
「環陽を失いたくなかったの!でもそれは私の我が儘だから!環陽はやっぱり大好きな人で、幸せになってほしいと思う。でもそれは私じゃだめなの!」
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