150人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・何を?」
梨花が外の景色に向けていた瞳を再び僕に戻した。
「たまに、俺らが2人で買い物したり、喫茶店でお茶してること」
「知ってるけど?」
梨花はそれがどうしたの、というように首をかしげて答える。
セミロングの綺麗な少し茶色がかった髪が風もないのに小さく揺れた。
「先輩、何もいわないんだな」
少し意地悪く言ってみる。
いや、皮肉か。先輩にとっては。
「だっていつものことだし。たまちゃんだし」
安心しきったようににっこりと微笑み、梨花は言った。
いつか後悔させてやろうと思った。
最初のコメントを投稿しよう!