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彼女達は不思議な乗物に乗っていた。
普通に見ると誰もがヘリコプターと言うだろうが、そのヘリコプターには普通のヘリコプターと決定的に違うところがあった。
それは、音の出ていないところだ。
普通のヘリは音が大きすぎて近くにいる人の声も聞こえないくらいだろうが、彼女達の乗っているヘリからはその音も一切聞こえず、小声で話しても聞こえるくらいだ。
ちなみに、先ほどから言っている彼女達とは、女が1人、男が2人の3人の事を指している。
そして、彼女達はヘリについている通信機を使って誰かと話していた。彼女達と言っても話しているのは大柄な男だけなのだが。
「厄介な奴等が介入してきた」
『厄介な奴等ねぇ……』
通信相手は声だけ聞くと男のようだ。
「情報によればある学校の生徒会らしいんだが……」
『へぇ……学生ねぇ……それに邪魔されたって報告か……』
相手の男はやる気のなさそうな話し方で、大柄な男と喋っている。
「そんな恥ずかしい報告するかよ。それに俺たちが普通の学生に邪魔されると思ってるのか?」
『なるほど……その学生達は能力を持ってるってことかい……』
相手はさらにやる気のなさそうな声でそう言った。
今は話が少しでも切れると、寝てしまいそうな声だ。
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