ぼくのじゃない

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「サトシくん・・・。ごめんね。私が余計なこと聞いちゃったから・・・」 「ゆりなちゃんは悪くないよ。いいんだ、サラはボクのネコじゃないんだ・・・」 サトシの目から涙が流れる。 家に帰るとすぐにサトシはママに問いかける。 「ねえママ、サラの飼い主はまだみつかってない?みつからないならこのままうちで飼っちゃおうよ!」 「それはダメよ。約束が違うでしょ」 「でもサラだってやっとこの家に馴れてきたんだし、ボクがちゃんと面倒みるから!  ママお願い!!」 「そんなこと言ったってもうあちこちにポスター貼ってきちゃったんだよ。欲しいって人から連絡着たら、今更あげられませんなんて言えないわよ」 「やだやだ!」 「コラ!言うこと聞きなさい!ママだってあなたとサラのためにポスターいっぱいつくったんだから!」 「やだ!サラはボクのネコだ!!」 泣きながら部屋を出たサトシは辺りを見渡すが、サラは散歩に出掛けていて、その姿はなかった。
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