人間の脅威

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【なんか気に食わないネコだね。さっき魚屋にみつかって追っかけられてたわよね?】 [はい] 【みっともないからやめてくれる?もっと逃げるときはうまく逃げなきゃ。私みたいに】 そう言って、さっき魚屋から盗んだ新鮮な魚をみせつける。 [さっきの犯人って君?] 【そうよ。あのくらいちょろいもんよ。人間なんてネコには勝てないわ。食べる?】 [ぼくはいらないよ。生の魚はちょっと・・・] 【ふん、これだから飼いネコは。そんなんじゃ生きていけないわよ!人間なんて信じちゃダメ。いつ捨てられるかわからないんだから】 [でもサトシくんは優しいよ] 【最初は誰だってかわいがるもんよ。だんだん飽きられたり、面倒見切れなくなったりして最後は捨てられるのよ】 [でもサトシくんは・・・] 【ばかねぇ、そうやってみんな騙されていくのよ。人に甘やかされて育って、捨てられた時にはもう野生で生きていく力を失っていて、捨てられたネコが生きる道はないの。あるのは死だけ】 [そんな・・・] 【あたしだって昔は飼いネコだったわ。それも血統書とかっていう高い肩書きがついた。でも、3年前に捨てられたわ。飼い主の夫婦ともずっと仲良かったのに。その夫婦が別れることになって、その時に一緒に捨てられたの。人間の勝手な都合で】 [でも、人間は悪い人ばっかりじゃないはずだよ。ぼくだって捨てられているところを優しい人間に拾ってもらったんだ] 【わからない人ね。じゃあ私についてきて、人間がどんな生き物か教えてあげる】 話しながらもミミは盗んだ魚をキレイに食べ終わり、屋根の上へ向かう。 【ほら、早くおいで】
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