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残りの姿は見当たらず、なおも周辺を捜していると鳴き声が聞こえた。近づいてみると2人目のミイが鳴いていた。
【ミイ!】
ミイが鳴き叫んでいるその向こうには、動かなくなった3人目のクロが砂をかぶったまま寝そべっていた。ミミもサラも言葉をなくした。この悲しみの想いは、ミミは人間への恨みへ、サラは人間への失望へと変わっていった。ミミの叫び声は森中に響き渡ったが、その悲しみはどこに届くわけでもなく、夜の闇に寂しく消えていった。人間を信じてきたサラにとっては、大きな希望を失い、答えを見出すことができなくなってしまう出来事であったが、これにさらに追い打ちをかけた。遠くにまだ工事をしていた大きな車が1台だけ残っていたのだ。
[あ、あれ!]
2人は少しでも真相をつきとめようとその大きな車のもとへと向かう。そこでサラは信じられない光景を目にし、その場に立ち止まる。
【どうしたの!?】
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