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「あ、でも飼い主みつかるまでは・・?」
「それまではうちで面倒みましょ。パパには私から言っておくわ」
「ママありがとー!」
こうして猫は飼い主がみつかるまでサトシのうちで飼うことになった。
びしょびしょに濡れて汚れた猫をサトシは風呂場でキレイに流した。水を嫌がる猫に苦労しながらもピカピカに洗うと、キレイな真っ白の毛で覆われた上品な猫へと姿を変えた。
「おまえこんなにキレイだったんだね。毛もさらさらだよ。 あ、そうだ、名前をつけなきゃ。 何がいっかなー」
サトシは猫をじっと見て考える。
「おまえは毛がさらさらしてるからサラだ! サラにしよう! 今日からおまえはサラだ!」
風呂を上がると家にあるものを片っ端から食べさせようとするが、なかなか食べようとしない。
「腹減ってるだろ?食べなきゃ死んじゃうよ?」
とっておきとばかりサトシがパパのつまみだったマグロの刺身を差し出すが、一向に食べようとしない。
「ママ、サラがエサ食べないよー!」
「なんでかしら。やっぱりちゃんとした猫のエサじゃなきゃだめなのかしら」
「ボク今から買ってくる?」
「あんたは待ってなさい。外は大雨で危ないから私が行ってくるわ。あんたはサラのそばにいてあげて。きっと一人でずっとあんなとこにいて寂しかったはずだから。」
「うん。ママありがと」
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