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「ええ、この子気に入っちゃったみたい。あなたも触ってみる?」
「いやいや、俺は遠慮しとくよ。それより・・・」
「この雨の中捨てられてたの。かわいそうでしょ。」
「そうだけどうちでは・・・」
「飼うわけじゃないの!飼い主がみつかるまで預かってるだけ。 それならいいでしょ? ね?」
「ん~、でも・・・」
「そんなことよりあなた今日は遅かったのね」
「そう。近々郊外の方の森を開拓する工事があってその打ち合わせに追われっきりだよ。しかも俺が現場監督任されちゃって」
「あら、よかったじゃない。忙しいのはいいことよ。じゃあ、お風呂入ってる間にご飯温めて直しておくわね」
「あ、この猫・・・」
ママは用件だけ伝えると逃げるようにその場を去った。
突然の猫に動揺を隠せないパパであったが、お風呂へ向かう途中、サラと一緒に寝ているサトシの嬉しそうな寝顔をみて、パパは少し嬉しくなった。
「こいつ、俺といるときより幸せそうな顔して」
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