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夕方になるまでサラと一緒に外を探検し、家に帰ってくると玄関でママが待っていた。
「サトシみて」
ママはサトシの目の前で大きな紙を広げた。そこには
【サラの飼い主探してます】というタイトルで下にサラの写真と細かい説明と連絡先が書いてあるものだった。
「ママどうしたのこれ!すごい!」
「でしょー。パパのパソコン借りてママが必至につくったのよ」
「ママ天才だよ!これなら絶対飼い主がみつかるね!」
「そうね」
「サラ良かったねー!早くみつかるといいなぁ」
サトシは嬉しそうにサラを抱きしめた。
しかし、それから数日が経っても、飼い主はなかなかみつからず、ママもポスターの数を増やし、街の至るところに頼んで貼ってもらった。
「サラなかなかもらってくれる人みつからないね。こんなにかわいいのに」
サトシはサラと遊びながらも、心は上の空だった。
「大丈夫よ、サトシ。きっとすぐみつかるから」
「うん・・・」
「今日はピアノの先生が来る時間よ。さあ、わかったら準備して」
サトシはピアノを習っていて週に一度、近所の先生がサトシのうちにピアノを教えにくることになっている。
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