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暫く歩いて、ようやく職員室にたどり着き、
「失礼します。転校生の間宮香月(マミヤカヅキ)です。」
「お!来たかぁ。女子高生第一号!西岡先生!来ましたよ。」
香月に近付いてくる男。
その人は
「…トシくん。」
「香月。久しぶりだなー!」
そう。
この人が西岡俊樹(ニシオカトシキ)香月が会いたかった男。
「知り合いなんですか?」
「えぇ。昔、家が近くだったんで。」
話はそこそこに、職員室を出る。
「で、何しに来たんだ。」
「何しにって、授業しに。」
「ちげぇだろーが。外国から帰ってきて、こんな庶民の学校入ってきて、授業しに来る訳ないわけないだろが。」
「それは…。もちろん、トシくんに会いたかったのもあるけど、お嬢様生活が欝陶しくなったから。」
香月は小・中学校も親に決められた学校にいかされ、セレブな毎日を送っていたのだが、やはり、猫被りが苦しくなり、高校は自分で決めた場所にしようと思っていた。
そこにちょうど、俊樹が教師になったと聞いて、教師になった学校へ来たという。
「まぁいい。相変わらずでなによりだ。」
「な、相変わらずって!変わったわよ!」
「どこら辺が?」
「お嬢様らしくなったでしょ?」
「……。」
綺麗に背筋を伸ばし、お嬢様らしく、振る舞う。
だが、俊樹は
「はっ。表は変わったかもしれんが、裏は変わってねーんだよ。」
💢
ムカつく!
こんな性格にしたのアンタでしょうが!
「じゃ、教室行くか。」
全く香月の怒りを無視し、さっさと歩いていく。
そして教室前。
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