我慢の限界

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もう夏に入りかけていた月曜日。 高校2年生の私はいつものように朝6時に起きて学校へ行く準備をした。 朝ご飯を適当にトーストで済ませていると、2階から足音が聞こえてくる。 現れたのは母親。 私には何も言わないで机に2千500円を置くと、急いで家を出て行った。 このお金は1週間のお昼ご飯代。 両親が共働きで忙しいので、弁当など作る時間があるわけがなく、こうして月曜日の朝にお金を置いていく。 会話らしい会話はほとんどない。 もう慣れたけどね。 父親は出張で空けている、いつ帰ってくるかは分からない。 と、いうより知りたいとは思わない。 帰って来た所で何かメリットがあるわけじゃないしね。
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