我慢の限界

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家に帰ると、駐車場に白い車が停めてあった。 「お父さんだ………。」 思わず呟いて家に入る。 父親はリビングで新聞を読んでいた。 「綾菜か。」 父親がこちらに気付いて顔を上げた。 「帰って来てたんだ。」 私は抑揚のない声で呟いた。 父親はその言葉には答えず、逆に質問してきた。 「もう期末テストの結果が出たんじゃないのか? どうだったんだ?」 「学年1位。」 「そうか。」 そう言って再び新聞に目をやる。 そんだけかい!! と突っ込む気も失せ、私は自室へと続く階段を上った。
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