我慢の限界

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ゆっくりと目が覚めた。 しまった、寝てしまった。 とは思いながらもゆっくりとした動作で時計を見る。 7時10分、丁度夕飯の時間なので私は下に降りていった。 「綾菜、早く食べちゃって。」 「うん、分かった。」 沈黙。 話す内容がない。 「綾菜、テストの結果は?」 またそれかい。 本当に両親は似たもの夫婦だと思いながら答えた。 「学年1位だった。」 箸を進めながら答えると、お母さんがぼそりと言った。 「勉強出来るからって油断しちゃダメよ。 それにその素っ気ない話し方、何とかならないの?」 その一言で、私の中の何かがプツンと切れる音がした。
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