レイス・アーヴェル

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レイスが依頼を受けたリルという女性は、屋敷に勤めているメイドである。 彼女のいる屋敷は町の西側、たくさんの屋敷が並ぶ、別名【お屋敷通り】にある。 目的の屋敷にやって来たレイスは、門の横に付いているチャイムを鳴らす。 「どちら様ですか~?」 暫くして中から一人の女性が出てきた。 メイド服を着ている事から、リルであるのは間違いなさそうだ・・・ リルはレイスに気付き、明るい笑顔でレイスを門の内側に招き入れた。 「こんにちはレイスさん!いつもお手伝いをお願いしてごめんなさいね・・・」 リルが言う。 「気にしないでください!俺はギルド隊員なんですから!」 レイスは笑って答える。 実際のところ、こういった雑用系の仕事を進んで引き受けるギルド隊員は数少ない。 名声にこだわる隊員が多く、魔獣の討伐の依頼を狙う隊員が多いからだ。 レイスの仕事を選ばない姿勢も、人気の一つの原因なのかもしれない。
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