片山さん

2/3
前へ
/25ページ
次へ
俺は、最初から気に入らなかった。 片山さんの家は母親が料理が苦手だとかで、高校にはいってから一度も弁当は作ってもらえない、らしい。 どんな母親だよ。とか思う。 だから、購買でパンか弁当を買って毎日食べている。 それは、いい。、、、いや、本音をいうと、そんな偏った食事をしているのは身体に良くないから、バランスのいい食事をして欲しい。 俺が作ってもいい。一人暮らしが長いから、料理には自信ある。 ま、それは、おいといて、何が気に入らないって、その買った昼食を誰と食べているか、という事だ。 片山さんには、当然友ダチがいる。 ただの知り合いだか、悪友だか、くされ縁だか、親友だか知らないが、いつも片山さんの周りには、数人の人間がいる。 そう、片山さんはモテる。男にも女にも。 鈍感な本人は、気がついてないだろうが、狙っているのは多い筈だ。 で、問題の昼食は、その中でも特に親しそうな数人のメンバーでいつも食べていた。 雑魚はいいんだ、雑魚は。俺に敵うわけないんだから。 雑魚じゃないのが問題で、その中に一人だけ、片山さんから「親友」という称号を得ている男がいる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

608人が本棚に入れています
本棚に追加