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俺は、最初から気に入らなかった。
片山さんの家は母親が料理が苦手だとかで、高校にはいってから一度も弁当は作ってもらえない、らしい。
どんな母親だよ。とか思う。
だから、購買でパンか弁当を買って毎日食べている。
それは、いい。、、、いや、本音をいうと、そんな偏った食事をしているのは身体に良くないから、バランスのいい食事をして欲しい。
俺が作ってもいい。一人暮らしが長いから、料理には自信ある。
ま、それは、おいといて、何が気に入らないって、その買った昼食を誰と食べているか、という事だ。
片山さんには、当然友ダチがいる。
ただの知り合いだか、悪友だか、くされ縁だか、親友だか知らないが、いつも片山さんの周りには、数人の人間がいる。
そう、片山さんはモテる。男にも女にも。
鈍感な本人は、気がついてないだろうが、狙っているのは多い筈だ。
で、問題の昼食は、その中でも特に親しそうな数人のメンバーでいつも食べていた。
雑魚はいいんだ、雑魚は。俺に敵うわけないんだから。
雑魚じゃないのが問題で、その中に一人だけ、片山さんから「親友」という称号を得ている男がいる。
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