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瞳が、こっちに落ちてきた花びらを拾う。
白い瞳の手に、薄桃色の花びらの色のコントラストが、日本的でどこか綺麗だった。
部屋の畳に落ちる花びらを、瞳は次々と拾い、一カ所にまとめる。
何をしているのかと思いながら、なんとなく黙って瞳のする事を眺める。
すると、瞳は近くにあった自分のカバンを引き寄せ、その中からソーイングセットを出した。
セットから針と白い糸を出し、糸を切り、針に糸を通し、そして糸の最後を口で結ぶ。
もしかして…と思っている俺を前に、瞳は、先ほど拾った桜の花びらを、針に通し始めた。
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