蒼く……碧く…ただ、青く。

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村の誰もが羨みながらも納得する、仲睦まじい二人でだった ――― ……しかし、その幸せは長く続くことはなかった。 男が科挙の試験に向かう道中、夜盗に襲われて無残な最期を遂げたのだ。 女は大いに嘆き悲しんだ。 寝食を忘れて部屋に籠もり、枕元は常に濡れ、時折が起き上がれば神に祈りを捧げる日々… それが三日程続き、女の小柄で慎ましやかな身体は木偶のようにやせ細り、目元は幽鬼の如く落ち窪んでいた。 両親は娘の悲嘆ぶりにただただ心を痛めるばかりであった。
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